川原川
語り手 : 菅野田鶴子 / 菊池仲子
阿部
子供の頃のね、あの、まずじゃ田鶴子さんに聞きますけれども、子供の頃の川原の様子ってどんな感じでしたか。
田鶴子
んだね、夏は川がね、この津波でなんだが汚くなったし細くなったね。
阿部
川原川?
田鶴子
うん。この流れてる川がね。元は、うーんと幅が広くて、泳いでだんだもんね、みんな。
阿部
泳いだ!?川原川で?!へええ。
田鶴子
うん、そしてね、子供だぢ・・・んだからねえ、高寿園(田鶴子さん仲子さんが通っているデイサービス)でね、高校の、あの人用務員昔やったんだ、〇〇なんだ、その人さ箱っこぁ回って。たまにそんなことすんのね。箱っこ回ってって。思い出をね、語れってね。そん時そのじんちゃんさね、箱っこ回っていったけゃ、思い出を教えてくださいっつう箱っこ行ったんだっけ。紙っこいったの。
したっきゃ、「おれぁ、なにあっぺなあ」つうんだっけ。その人ぁね。、なに、川原の人。本称寺っずうお寺あったわ、その本称寺の門前の人だからね、うん。だからねぁ、言ったの。
「おんつぁーん、おめさんが、川原の川で泳いだ話でもしらんや」(泳いだ話でもしたら?)って言ったの。
そしたっけぁ、「ああ、ほんだ」って。
「おめさんが、つんつんこ出して行ったっけがすと」
会場
(爆笑)
田鶴子
って言ったの。ほら、みんなねえ、なに、パンツなんて履がねぁがらね。そうやってほら、海さ、海でねえ、川さ行くのね。
川さ行くと「歳のくれえ石拾え」ってかだられるの、おっきいあんや達にね。
そうすっと、ほら川もきれいになるんだ、しょっちゅうして拾うがら、みんなしてね。
そして(じんちゃんさ)「やったっけなあ」って言ったっきゃあ、「ああ、そんだ」って。そんなな話ね、かだって、みんなしてあどぁ笑ったの。
阿部
ふうん。田鶴子さんの方が覚えてたんですね。
田鶴子
だって、おらだぢもね、おらだぢも石拾いね、したがら。まんず、七歳、一年生くらいから拾わせるんだっけ。で、一年生七つ拾え、ってね。そうすっと、こんななちっちゃこい石ころでも一つなんのね。そして七つ。だがら、毎日泳いでで拾うがら、きれいなの、水が。泳いででも、きれいだしね。